Windows10のシステムバックアップとシステム復元についていろいろ試してみました。その結果、次の3段階でシステムのバックアップを実行しています。
非常事態に備え、システムのバックアップは次の3段階で備えることをおすすめします。
- 復元ポイントを有効にして、システムを内蔵HDD (ハードディスク)あるいは内蔵SSD(ソリッドステートドライブ) に バックアップする。
- システムイメージを外付けHDDにバックアップする。
- Windows10を回復ドライブ (USBメモリ) にバックアップする。
それでは詳しく見て行きましょう。
3種類のシステムバックアップ
Windows10のシステムバックアップには以下の3種類があります。
復元ポイントのバックアップ
Windows10では、システムの保護機能が有効になっている場合、設定で割り当てられた内蔵HDDの領域、あるいは内蔵SSDの領域に、システムの復元ポイントが定期的に自動作成されます。手動で作成することもできます。
復元ポイントには、復元ポイントを作成した時点のシステムの内容がバックアップされます。
例えば、アプリをインストールする前に復元ポイントを作成しておくと、アプリをインストールした後にシステムの動きがおかしくなった場合などに、アプリをインストールする前の復元ポイントからシステムを復元して、前の状態に復元できる場合があります。
Windows回復環境(Windows回復ツール)が動ける状況であれば、システム復元できる可能性が高いです。
システムイメージのバックアップ
システムイメージのバックアップでは、バックアップした時点のシステムが、外部記憶装置(外付けHDDなど)にそっくりそのままバックアップされます。
システムの動きがおかしくなった場合などに、バックアップしておいたシステムイメージから、システムをそっくりそのまま復元できる場合があります。
Windows回復環境(Windowsの回復ツール)が動ける状況であれば、システム復元できる可能性が高いです。
回復ドライブのバックアップ
回復ドライブとは、回復ドライブ作成時点のWindows10システムファイルと、Windows 回復環境などがUSBメモリにバックアップされてできた、起動 (Boot) 可能なWindows10バックアップメディアです。
回復ドライブにWindows10システムファイルをバックアップするかどうかはオプションですが、通常はバックアップする方を選択します。
Windows10システムファイルをバックアップしないで、ただのWindows回復環境メディアにすることもできます。この場合はシステム修復ディスクと同じになります。
回復ドライブとシステム修復ディスクの違いは、Windows10メディアをバックアップできるかどうかです。システム修復ディスクは、Window10メディアをバックアップしていない、ただのWindows回復環境起動メディアです。
Windows10システムファイルの中には、回復ドライブ作成時点までにインストールされたWindows10更新プログラムも含みます。個人ファイルや後からインストールされたアプリはバックアップされません。
Windows10システムファイルをバックアップした回復ドライブからのシステム復元では、バックアップしたWindows10が再インストールされる形でシステムが復元されますので、インストール後のシステム初期設定作業などが必要になります。
新規にインストールされますので、個人ファイルやアカウントなどもすべて削除され、工場出荷状態に近い状態で復元されます。違うのは、更新プログラムが当てられていることぐらいです。
3つのバックアップの特徴
3つのバックアップの特徴をまとめると、次のようになります。
バックアップの | 復元ポイント | システムイメージ | 回復ドライブ |
---|---|---|---|
媒体 | 内蔵HDD/SSD | 外付けHDD | USBメモリ |
タイミング | 定期に自動・手動 | 手動 | 手動 |
頻度 | 定期的・大変更の後 | 大変更の後 | 大更新プログラムの後 |
時間 | 約2~5分 | 約1機関10分 | 約1時間30分 |
復元後の作業 | 少ない | 変更量に依存 | 大変多い |
- 大変更の後:システムを大変更した後の安定期にバックアップする。
- 大更新プログラムの後:Windows10の大更新プログラムをインストールした後の安定期にバックアップする。
- 復元後の作業:復元後の現状回復までの追付き作業。
3種類のバックアップの使い分け
3種類のバックアップの使い分けは、次のようになると思います。
- まず、復元ポイントからのシステム復元を試します。
- ①がダメだった場合は、システムイメージからシステム復元を試します。
- ①、②ともにダメだった場合は、 最終手段として回復ドライブからWindouw10を再インストールしてシステムを復元します。
復元ポイントを有効にしてシステムをバックアップする方法
復元ポイントの作成方法はとても簡単です。復元ポイントの機能を有効にして、復元ポイントのデータを格納する領域を内蔵HDD、あるいは内蔵SSDに割り当てるだけです。
すると、好きな時に手動で復元ポイントを作成できたり、システムに重要な変更があった場合などに、Windows10が自動で復元ポイントを作成してくれます。
それでは具体的に見て行きましょう。
復元ポイントの機能を有効にする方法
スタートメニュークリックからWindowsシステムツールを探し、その中のコントロールパネルをクリックし、次のように表示します。表示方法は、画像の右上にあるように『カテゴリ』ではなく、『大きなアイコン』で表示しています。
上記画面の『回復』をクリックし、次の画面を表示します。
上記画面で『システムの復元の構成』をクリックし、次の画面を表示し、『構成(O)』をクリックします。
すると次の画面が表示されるので、『システムの保護を有効にする』にチェックを入れます。これで、復元ポイント機能が有効になります。そして、下の青いスケールで復元ポイントデータを格納するディスク領域の最大使用量を設定します。初期値の10GBで8個ぐらい復元ポイントデータが取れていますので、初期値でOKだと思います。最後に『OK(O)』ボタンをクリックして、有効化は終了です。
復元ポイントを手動で作成する方法
上記画面で最後に『OK(O)』をクリックすると、次のように一つ前の画面に戻ります。手動で復元ポイントを作成する場合は、『作成(C)』をクリックします。
すると、次の画面が表示されるので、復元ポイントに説明文を付けて『作成(C)』をクリックします。
すると、次のメッセージ画面が表示され、復元ポイントが作成されます。『閉じる(O)』クリックで終了です。
実際に復元ポイント一覧を確認して見ると、次の画面のように作成した復元ポイントが表示されます。
復元ポイントが自動で作成されるタイミング
この件に関しましては、とても分かりやすく、かつ詳細に解説されている記事がありましたのでリンクを貼らせて頂きます。とても参考になりました。ありがとうございます。ぜひ、皆さんも閲覧して見てください。
サイト名とリンク:Windowsパソコンの問題を改善
システムイメージをバックアップする方法
システムイメージをバックアップする方法は次の通りです。
入れ物の準備
システムイメージをバックアップするためには、システムイメージを格納できる入れ物が必要になります。今回はUSB接続の外付けHDD(1TB)を準備し、NTFS型式でフォーマットしました。
容量は1TBの物を準備しましたが、目安としては内蔵HDDの未割当部分を除いた大きさよりも少し大きいくらいになります。
今では、外付けHDDも手のひらに載るくらいコンパクトになっています。また、値段もけっこう安くなっています。
また、システムイメージバックアップの終了時、システム修復ディスクの作成画面が表示されますので、空のDVDを用意しておきましょう。ここで作成しなくても、後から作成することもできます。
システム修復ディスクの機能は回復ドライブにもありますので、回復ドライブで代用することもできます。
システムイメージをバックアップする方法
バックアップ先になる外付けHDDを接続します。
スタートメニューのWindowsシステムツールから、次のようにコントロールパネルを表示します。表示方法は、画像の右上にあるように『カテゴリ』ではなく、『大きなアイコン』で表示しています。
上記画面で『バックアップと復元(Windows7)』をクリックし、下記画面を表示します。
上記画面の『システムイメージの作成』をクリックし、下記画面を表示します。
上記画面で、バックアップ先が接続した外付けHDDになっていることを確認し、『次へ(N)』ボタンをクリックして、下記画面を表示します。
上記画面でバックアップの設定を確認し、『バックアップの開始(S)』ボタンをクリックして、下記画面のようにバックアップを開始します。
バックアップ終了時、次のように『システム修復ディスクの作成』画面が表示されますので、空のDVDをセットして作成します。『いいえ(N)』をクリックして、後で作成することもできます。
バックアップが完了すると、下記画面が表示されますので、『閉じる(C)』ボタンをクリックして終了です。
Windows10を回復ドライブにバックアップする方法
Windows10を回復ドライブにバックアップする方法は、次の通りです。
回復ドライブ用の媒体
Windows10をバックアップする回復ドライブには、空の16GB以上のUSBメモリが必要です。今回は32GBのUSBメモリを用意しました。
USBメモリはフォーマットされて中身が削除されますので、データが入っているUSBメモリを使う場合は、注意してください。
Windows10を回復ドライブにバックアップする方法
回復ドライブになるUSBメモリを接続します。
スタートメニューのWindowsシステムツールから、次のようにコントロールパネルを表示します。表示方法は、画像の右上にあるように『カテゴリ』ではなく、『大きなアイコン』で表示しています。
上記画面で『回復』をクリックし、次の画面を表示します。
上記画面で『回復ドライブの作成』をクリックし、次の画面を表示します。
上記画面で『システムファイルを回復ドライブにバックアップします。』にチェックを入れ、『次へ(N)』ボタンをクリックして、次の画面を表示します。
上記画面表示後、次の画面が表示されます。
上記画面で、セットしたUSBが選択されていることを確認し、『次へ(N)』ボタンをクリックして、次の画面を表示します。
上記画面で『作成』をクリックして、次のように回復ドライブの作成を開始します。
回復ドライブの作成が終了すると、次の画面が表示され、『完了(F)』をクリックして終了です。
終わりに
今回は、3種類あるシステムのバックアップについて紹介しました、非常事態に備えてシステムのバックアップを取っておきましょう。
最後まで閲覧して頂き、ありがとうございました。
それではまた。